読書メモ:「歴史戦と思想戦」(著:山崎雅弘)

権威主義国に共通する特徴 時の国家指導者の判断は常に正しいとみなす「国家指導者の権威化」 時の国家指導者とそれが君臨する国家体制を「国」と同一視する認識 時の国家指導者に批判的な国民を「国への反逆者」として弾圧する風潮 国内の少数勢力や近隣の…

読書メモ「BUILD」(著:トニー・ファデル)

スティーブ・ジョブズはここから学ぶべき教訓をしっかりと学び、社内にも周知させた。B2BとB2Cを両方やろうとする会社は必ず失敗する、と。 プロダクトマネジャーあるいはプロダクトマーケティングマネジャー プロダクトマーケティングとプロダクトマネジメ…

何もしないほうが得な日本(著:太田肇)

ところで経営の分野では、一般に日本企業は労使関係も雇用も安定しているので長期的視点に立った経営が行えるのに対し、株主重視の欧米企業は短期志向になるといわれる。はたして、それがどこまで一般化できる話だろうか。 たしかに、そういう面はある。しか…

「人を動かすナラティブ」(著:大治朋子)

大交代理論の「核」をなすのは、1)自分たちの国は白人のものである、2)劣った人種が多数押し寄せ、優秀な白人は少数派に転落しそうである、3)国家的な脅威、危機であるーーーといった被害者意識だ。 ウクライナによる影響工作の勝因10 偽情報は修正す…

実験の民主主義(著:宇野重規)

前書き 現代社会において、民主主義はあたかも「終わった」かのように語られる。目立つのは民主主義の原則をいとも簡単に踏みにじるポピュリスト指導者たちと、それを熱狂的に応援する支持者たちである。また、名ばかりの選挙を口実に、あるいはそれさえ抜き…

「J・S・ミル」(著:関口正司)

自由原理を根拠としない理由 次にミルは、二つ目の課題として、重要な自由として認めるべきだが、自由原理を正当化の根拠としない自由を論じている。具体例とされているのは、商取引の自由である。 商取引は、他者に大きな影響を与える行為である。危害をも…

「経営リーダーのための社会システム論」(著:宮台真司/野田智義)

男性の損得化が女性を損得化させる 性的退却の背景に何があるのか、さらに踏み込みます。 僕の聞き取りでは、性愛を避ける男性の多くが「コストパフォーマンスが悪い」と言います。勉強や仕事に追われて忙しい日々、女性と交際するとお金がかかるしトラブル…

「諜報国家ロシア」(著:保坂三四郎)

KGBの陰謀論のなかで最も大きな成功を収めたのは、米国エイズ製造説だろう。この陰謀論は、1985年、ゴルバチョフがソ連のトップに就き、レーガン米国大統領との最初の米ソ首脳会談が近づく中、核戦争を計画する「戦争国家」米国に対する「平和国家」ソ連とい…

「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(下)」(著:デイヴィッド・ハルバースタム)

それぞれの誤算 すべての戦争はなんらかの意味で誤算の産物かもしれない。だが朝鮮では戦争当事者双方の重要な決定のほとんどすべてが誤算に基づいていた。まずアメリカが防衛範囲から朝鮮半島を外し、これがさまざまな共産側当事者の行動を誘発した。ついで…

「野球短歌」(著:池松舞)

解説の大魔神が言いました阪神ぜんぜんよくないですね(4月20日×) 一点を取られただけのピッチャーが勝てないセ界を誰か救って(4月23日×) 三分で攻撃が終わる阪神はウルトラマンにも負けてしまうな よく見ればウルトラマンにはトラがいるつまりこれは己と…

理念の国がきしむとき(著:中山俊宏)

トランプ大統領は、トランプ現象の設計者ではなく、むしろ彼自身がその症状であるという視点にたち、トランプ現象の底流で起きていることを炙り出していかないと、真の変動の度合いは浮かび上がってこない。 いまアメリカが分極化しているという時、それはあ…

「敵対的買収とアクティビスト」(著:太田洋)

著者は「2022年に活躍した弁護士ランキング」企業法務全般(会社法)分野第1位の弁護士 米国における「レブロン義務」と日本における「株主利益配慮義務」 対象会社(T社)の取締役会が第三者(A社)への「身売り」を決めた場合、その後に別の第三者(B社)…

ア・ピース・オブ・警句(著:小田嶋隆)

数年前に執筆されたコラムを読む価値があるのか、と思ったが充分に価値のあるものだった。 著者が前書きで書いている通り、批判の多かった五輪や桜の会、森友・加計問題を今となってはすっかり忘れている。 同じタイプの出来事が酔っ払いのデジャブみたいに…

浄土(町田康)

収録作品 犬死 どぶさらえ あぱぱ踊り 本音街 ギャオスの話 一言主の神 自分の群像 犬死より 「俺はテキスタイルデザイナー/愛が/腐った愛が欲しいんだ/俺はビーフジャーキー/愛が/ふざけた愛が欲しいんだ/大正は哀れ愛して頂戴よ/フルー(ダセー)/ムチャク…

日本の血脈(著:石井妙子)

小泉進次郎 香川照之 中島みゆき 堤康次郎 小沢一郎 谷垣禎一 オノ・ヨーコ 小澤征爾 秋篠宮記子妃 美智子皇后 孝太郎は、インタビューでこう答えている。 「結婚する相手は、”夢を持っていない女性”がいいんです。(中略)『夢は捨てました。一生あなたのた…

テロルの決算(沢木耕太郎)

17歳の山口二矢による社会党委員長浅沼稲次郎へのテロはいくつもの偶然が重なって成功してしまったものだった。 ・浅沼が登壇する演説会の告知は山口家が購読している新聞にしか掲載されなかった。 ・殺害の武器となる日本刀は山口二矢の父である山口晋平が…

旅をする木(星野道夫)

・アラスカで最も美しい街、それはシトカだろう。 ・百年以上も前にアラスカを旅した人が、”若い時代にはアラスカへ行くな。人生の竿後に出かけなさい”と言ったそうです。つまり、他の世界が小さく物足りなく見えてしまうということです。大きな自然が素晴ら…

書籍「事実はどこにあるのか」

The elements of Journalism ジャーナリズムの第一の責務は真実である 第一の忠誠は市民たちに対するものである その真髄は事実確認の厳格さにある その仕事をする者は報道対象から独立を保たねばならない 独立した権力の監視役を務めなければならない 皆が…

陣馬山

陣馬山~小仏城山~高尾山口まで約20kmをゆっくり歩く。 まき道をつかったので途中の景信山、高尾山の山頂には行かなかった。 小仏城山の天狗 陣馬山 山頂

2023年2月18日(土)宝篋山

宝篋山を紹介する記事を読み、ツラすぎる登山よりは散歩程度が好きな私にちょうど良いと思い行ってみた。 小川が流れる道を歩くのが気持ち良い。 下山したらパラグライダーを楽しむ人を発見 大池公園 bravo-m.futabanet.jp

2023年2月12日(日)雪残る高尾山

2月12日(日)に久しぶりに高尾山へ。 登りは1号路から、下りは6号路から。 6号路は2月10日(金)に降ったであろう雪がまだ残っていて場所によってはかなり滑りやすくなっていた。 私はトレッキングシューズを履いていたので滑りにくし、靴が濡れても靴の中…

読書メモ「私の文学史」(著:町田康)

NHK文化センター青山教室で2021年10月~2022年1月にかけて行われた講座「作家・町田康が語る 私の文学史」の講義を再編集した書籍 私はですね、いつも訊かれることがあるんですよ。「文章うまくなりたいんですけど、小説を書きたいんですけど、そのためにス…

読書メモ「民主主義の経済学」(著:北村周平)

・民主主義の発展によって、政府は大きくなる ・選挙直前の政府支出は多くなり、選挙がないときの政府支出は少なくなる ・より報道されるほど、政治家は有権者のために働く。 ・偏った報道には需要側と供給側の要因がある。 ・報道は、有権者の考え方や投票…

読書メモ 「財政学の扉をひらく」

財政学は希望を語れるか 財政が私たちのニーズを満たすためには、財源が必要となる。ここで、第2章で述べたことを思い出したい。強制性と無償性を特徴とする税の負担に人々が同意できる状況を作り出すのは、政府への信頼と社会的信頼(人々同士の信頼)であ…

読書メモ 「財政学の扉をひらく」(髙端正幸、佐藤滋)

高齢世代が優遇されている? (前提) ・アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、スウェーデン、イタリア、フランスの社会保障支出を比較すると、どの国も、公的社会支出の相当の部分が「老齢・遺族(現金給付)」と「医療」の2項目で占められているが、日本では…

メモ:「ベンチャーキャピタル全史」(著:トム・ニコラス)

投資基準 投資企業の選択については、デイビス(デイビス&ロック、トミーデイビス)には明確な基準があった。「正しい人材を応援することです。基本的に、製品を作るのはひとです。製品が人を作るのではありません。ほんのわずかな人々が、とてつもない成長…

メモ「いつもより具体的な本づくりの話を。」(著:北尾修一)

Web記事をねらう ライツ社の取り組み 僕たちは日本初の企画を考えるところをスタート地点に、それをまずWebメディアで記事にしてもらう→SNSで拡散→地上波テレビで紹介される、という流れを意識的に仕掛けています。 たとえば世界のレシピ集という企画だった…

起業の失敗大全(トム・アイゼンマン著)

HBSでは「アントレナーシップ(起業家精神)」を「リソースがないなかで新しい機会を追求すること」と定義 4つの起業家のリスク 1 需要リスク 2 技術的リスク 3 実行リスク 4 財務リスク 失敗の定義 ベンチャーの失敗とは、初期の投資家が投資した金額以上の…

脳は世界をどう見ているのか(ジェフ・ホーキンス)

■なに経路とどこ経路 脳には視覚系が二つある。眼から新皮質に続く視神経をたどると、二つの並行する視覚系につながるのが分かる。「なに経路」と「どこ経路」と呼ばれるものだ。なに経路は脳の最後部で始まり、両側につながる一連の皮質領域だ。どこ経路は…

「アダム・スミス」(堂目卓生)

スミスの幸福論 この物語に登場する「貧乏な人の息子」は、自分よりも優れた身分の人々の生活に憧れ、富と地位を獲得するために全生涯を捧げる。彼は、勤勉に働くだけでなく、憎悪する人々に奉仕し、軽蔑する人々にへつらう。こうして、彼は、いつでも力のお…