ア・ピース・オブ・警句(著:小田嶋隆)

数年前に執筆されたコラムを読む価値があるのか、と思ったが充分に価値のあるものだった。

著者が前書きで書いている通り、批判の多かった五輪や桜の会、森友・加計問題を今となってはすっかり忘れている。

 

 同じタイプの出来事が酔っ払いのデジャブみたいに反復してきたこの5年の間に、自分が、五輪と政権に関しての細かいあれこれを、それこそ空気のようにほとんどすべて忘れていることをに気づかされたのだ。

 私たちはあまりにもよく似た事件の再起動の繰り返しに慣らされて、感覚を鈍麻されてきた。

 それが日本の私たちの、この5年間だった。