スティーブ・ジョブズはここから学ぶべき教訓をしっかりと学び、社内にも周知させた。B2BとB2Cを両方やろうとする会社は必ず失敗する、と。
プロダクトマネジャーあるいはプロダクトマーケティングマネジャー
プロダクトマーケティングとプロダクトマネジメントは基本的に同じものだ。プロダクトマネージャーの役割とは、プロダクトにどんな機能を持たせるか決め、仕様(プロダクトがどのように機能するか)やメッセージ(顧客に伝えたい事実)を作成する。それから社内のほぼすべてのチーム(エンジニアリング、デザイン、カスタマー・サポート、財務、セールス、マーケティングなど)と協力しながらプロダクトの仕様を詰め、開発し、市場に送り込む。その過程でプロダクトが当初の意図を外れないように、骨抜きにならないように目を光らせる。だが何より重要なのは、プロダクトマネージャーは顧客の代弁者であることだ。各チームが顧客を喜ばせる、満足させる、という究極の目標を見失っていないか、常に目配りしなければならない。
理由は単純だ。チームには顧客の声を代弁する存在が必要だからだ。エンジニアはプロダクトに最先端のかっこいい技術を使おうとする。セールスはたくさん売れるプロダクトを作ろうとする。それに対してプロダクトマネジャーは顧客に最適なプロダクトを作る責任を負い、それだけに集中する。それがプロダクトマネジャーの仕事だ。
優れたプロダクトマネジャーはさまざまな機能を少しずつ、そして次に挙げた任務の大部分を担う。
- プロダクトがどのような機能を持つかを定義し、長期的にどのように進化させていくかロードマップを作成する。
- メッセージング・アクティベーション・マトリクスを作成し、アップデートしていく。
- エンジニアリングチームと協力し、仕様通りにプロダクトを作る。
- デザインチームと協力し、ターゲットとする顧客がプロダクトを直感的に使える魅力的なものに仕上げる。
- マーケティングチームが消費者にメッセージを伝えるための効果的なクリエティブ素材をつくれるように技術的詳細を理解させる。
- プロダクトを経営層に見せ、幹部からフィードバックを受ける。
- セールスや財務チームと協力し、プロダクトの市場性を確かめ、最終的に収益化する道筋を確認する。
- カスタマ―・サポートと協力し、必要な説明資料を作成し、問題に対応し、顧客からの要望や苦情を把握する。
- PRと協力し、世間の反応を確かめ、プレスリリースの草稿を書き、広報担当の役割を果たす。